タイ古式マッサージのマニアックな話

タイ古式マッサージとはこんなに奥が深いのです

ナーブタッチというタイ古式マッサージ

当初、私は自分の習得したタイ古式マッサージを「ナーブタッチ」と呼ぶことに抵抗がありました。なぜなら私の中では「タイ古式はひとつしかない」と思っていたからです。でも、東京に来てよくわかりました。私の技法は完全に「別物」で、例えば「センを伸ばすとスッキリします」という言い回しでタイ古式を説明したとしても、一般的なタイ古式とは「センの概念」が違う上に「LOM(風)の存在」がありません。ナーブタッチが示すセンは腱や筋ではなく経絡とも少し違います。センは身体の内側にあるエネルギーラインです。表面に触れるのではなく内側に触れていきます。センを押すと風が集まり、センを引くと風が散っていきます。センより風を動かしていくことで心と身体の風通しがよくなり、症状の改善(肩こりや腰痛など)がおこります。よって私の習得したタイ古式マッサージには身体の不調や違和感を改善するための手技はありません。でも「このセンから肩コリは良くなるだろうな」ということはセンに触れるとわかりますので、症状の改善に有効なセンを伸ばしたり風の門を開いたりして、できるだけ風がまわるようにします。ちなみに「風の門」は「ツボ」ではありません。

タイ古式マッサージにはリフレッシュやリラックス効果がありますが、ナーブタッチで言うリフレッシュやリラックスはお客様が思い描く、又は知っているリフレッシュやリラックスとは異なる場合があります。筋肉をほぐして楽になるリフレッシュというよりは、テンションがトーンダウンし、まったりとした後、忘れた頃にはいつの間にかリフレッシュしている、という感じです。また、ナーブタッチでいう「リラックス」とは重ダルい感覚です。思考優先型で頭に風が上昇している時は、風を足元へと下げるためずっしりと重くなりますが、思考が一旦静止し、考えが行き過ぎなくなるためリラックスできます。

ナーブタッチでは身体を動かす型はごくわずかです。私自身、横向きで行う手技は使いませんし、背面もごくたま~にしか使わないため、多くの型やアクロバティックなストレッチで爽快感を楽しみたい方には物足りなく感じるかもしれません。

「せっかくお金を払ったのだから首や腰の痛みや足のむくみを取って欲しい」

「そうですよね、やってみます!」

でも、あ~ら不思議。ナーブタッチを受けると「意識していた目的を忘れてしまう」という面白い現象が起きます。自分が考えていた目的以外のギフトが降ってきて、いい意味で期待していたことをハズしてくれます。ただし、どんなギフトが届きどんな感覚になるのかはやってみなければわかりませんが、そこがナーブタッチの醍醐味で面白いところです。使う型は少ない上に毎回ワンパターンですが、扱うセンや風が違いますのでその時にしか体感できない不思議な感覚を楽しんでいただけます。ナーブタッチの目的や方向性は「症状を改善する」ということだけではないため、セラピストはプレッシャーを感じることなくなくやり続けることができますし、お客様も毎回心身が軽やかになるので飽きることなく受け続けていただけます。