タイ古式マッサージのマニアックな話

タイ古式マッサージとはこんなに奥が深いのです

さて、どうしよう?

「これだ!」とひらめいた時、とてもワクワクした。今まで知らなかった世界への扉を開けて、期待や希望で胸がいっぱいだった。大きな決断をして大胆な行動に出る自分に驚きつつも、思いついたアイディアの数々をひとつずつ実践していく毎日が新鮮で楽しかった。「これをやれば、あれをやれば、きっとうまくいく。努力すれば願いは叶う!」そう信じて頑張っている自分が好きだった。時々頭をよぎる不安さえも刺激的な喜びへと変わっていった。

そんな毎日をどれくらい過ごしてきただろう。ふと立ち止まってみると、自分が思い描いた未来とは程遠い現状にいる。こんなハズじゃなかったのに。何がいけなかったの?何がダメだったの?あの人のアドバイスも聞いたし、この人の手ほどきも受けたのに、私は私なりに頑張ってきたのに、何で??この憤りや悲しみは一体どこへ向けたらいいの?でも待って。他のみんなは頑張っている。こちらがダメなら次はあちらへ、という具合に新しい何かや違う場所へと移行している。私もみんなの所へ行こうかな?もしかすると、やり残していることがあるかもしれないし、まだまだ努力が足りないのかもしれない。そうだよ、ここで辞めてしまったらすべてが水の泡、すべてが台無しになってしまう。だからやるしかないし、行くしかない。んん?ひょっとして今のこの状態がうわさの「はく奪」というものなのだろうか?「すべてをなくした時が本当のスタート」だと言っていたけれど、自信も希望も気力も余裕も失って、何もかもがグチャグチャで何をどうスタートさせたらいいのか私にはもうわからない。

これから、どうするの?どうしたいの?どうすればいいの?「どうしたい」と思ったってその通りにはならなかった。

それも踏まえた上で、、、さて、どうしよう?

そこから離れる

考えても考えても答えが出ない時はいったん保留にします。考えすぎるとどんどん複雑になり、ますますわからなくなってしまうからです。私の場合、ご予約の時間にタイ古式をやると落ち着きます。複雑になりどんどんわからなかくなってしまった悩みが大したことではなくなる、もしくは私の単なる思い込みだったと気づいたり、何に悩んでいたのか自体を忘れてしまうこともあります。

風を集めて散らす時の「引いて、押して」の技法は、身体だけではなく心の内側にも近づけて遠ざけて、を繰り返します。現状から離れて時間や距離を取った後に再び現状へと寄せていきます。風のエネルギーを仲介してそれらを行っていますが、この概念や感覚は私が今まで習った他のセラピーやトリートメントには入っていませんでした。

私が習得したのは「セン」だけではなく「風」を扱うタイ古式マッサージです。

アーユルヴェータ発祥の地インドにも、タイ古式マッサージが生まれたタイ本国にも、もうこの技法は残っていないそうです。

センを通る風がお客様の慈悲の心へ触れさせてくれます。慈悲の心の心地よさに包まれて、呼吸が静かに深くなり、焦りやがトーンダウン、ペースダウンします。以前の私は「早く決めたい、早く知りたい」症候群でしたが、タイ古式マッサージで焦りや不安を少しの間横に置くことができるようになり、さらに風が私とお客様の双方をより良い方向へと導いてくれます。

タイ古式はヨガの仲間です

タイ古式でセンを伸ばして緩めて、風を集めて散らして、を繰り返していくと、今この時のちょうどいい心と身体の状態へと導かれていきます。タイ古式の風を扱う技法や私の意識がちょうどいい場所を探していきますが、私の近くには常に精霊の存在があり、精霊の導きや手助けによって今在るべき場所へと導かれます。ただし、どこへ導かれていくのかわかりません。その時のタイ古式が心へのアプローチとなるのか、身体への揺さぶりとなるのかはやってみないとわからないのです。私自身が現実の世界で旅に出る時は目的地を定めます。でもタイ古式では自分の意志や思いが定めた場所とはかけ離れた場所へと誘導されます。タイ古式で出かける内側の旅の終着駅は「執着」という意識や感情から離れた場所。自分の思考や感情から自由になると、心も身体も楽になりプラスもマイナスもないフラットでニュートラルな「本来の自分自身」へとより近づいていき、自分の現実や現状が把握できるようになります。自然治癒力が働いて余計な感情が振り落とされていくと身体も軽くなります。タイ古式が「慈悲喜捨の行い」と言われるその理由が、思考ではなく感覚で理解できるようになります。そしてその状態こそがグラウンディングで、タイ古式マッサージがヨガの仲間であることの証です。

タイ古式でグラウンディング

「セラピストはグラウンディングが大事ですか?」というご質問を同じお仕事をしていらっしゃるお客様よりいただきましたので、今日はそんなお話です。

彼女はご予約前には静かな時間を持ち、自身を整えてからボディワークに入るそうです。私の場合は、タイ古式そのものが呼吸法や瞑想法を実践する時間となります。

数年前のとある勉強会で「グラウンディングができていない」と指摘されたことがありました。実際、チャクラのイメージトレーニングでは第1の赤と第2のオレンジが混ざって茶色に見えて、他の色もうすぼんやりとしかとらえることはできませんでした。私のその状態は「基底のチャクラや丹田が弱く、エルギーが上昇しがちな思考優先型」とのことでした。確かに自分の意見に確信や自信もないため、迷いや不安も多いのですが、そもそも私の学んだタイ古式ではグラウンディングに対する考え方が違いますし、7つのチャクラを意識してタイ古式をやることはまずないので、チャクラワークがしっくりこないのも当然と言えば当然のことです。さらにタイ古式で発動するバンタ(チャクラ)も3つです。

「色々思い悩んだり辛いこともあるけど、そこにフォーカスしたり、深く掘り下げたりするのではなく、とりあえずよもやま話でもしていれば、難しいことなど吹っ飛んでしまうさ」というのがタイ古式のスタンスです。要するにタイ古式は程よくいい加減でテキトーになるための練習や鍛錬!?なので、もし丹田が鍛えられていない=地に足が着いていないのならばタイ古式をやったり受けたりするといいのです!「丹田が鍛えられていないことを忘れられちゃうかもよ☆」という面白いサティが降ってきます。バンタを鍛えることを意識するのではなく、タイ古式がその意識をハズしてくれます。センを通る風を動かせば、自然の作用が働いて、程よい場所へと着地します。「これでいいのかもしれない」という場所へ「ひょい」と置かれます。「確実に」とか「完全に」ではなく「なんとなく」や「もしかすると」という場所ですが、それくらいがちょうどいい。そもそも自然治癒力とは働いているのか、働いてないのか、よくわからない程度の波動で、その波動の優しさは慈悲そのものだと私は思います。

強い影響を与えず印象を残さない波動

決定的な効果は必要のない感覚

タイ古式の不思議な魅力に魅了される方はとても多いです。不思議な魅力は語りつくせないほどありますが、それは単なる私の主観であって、すぐに風が吹き飛ばしてしまいます。ただひとつ言えることは、センを知っていれば風を動かせますし、自然治癒力に揺さぶりをかけることができます!どこのどのセンを使えば風が動き出すのかを試したり、風が来るのを待っている時間はとても面白くてワクワクします。釣りやマージャンのリーチと同じ!?タイ古式を通してお客様と不思議な感覚を共有できたならば、ますます楽しくて「タイ古式マッサージをやってて良かった♪」と心から、いえ丹田で感じます。そんな単純な気持ちが持てることに幸せを感じますし、この幸福感こそがタイ古式マッサージがもたらすグラウンディングです。

 

改善や結果はついてこないタイ古式マッサージ

タイ古式ヒーリングに出会う前は結果や評価に大いにこだわっていました。「これならお金を支払ってもいい」とお客様に思っていただけるような技術を習得し「身体の不調の改善や変化が出るようなメニューを提供したい!」と真剣に考え続けてきました。でもある日ふと面白いことを思いつきました。

「症状改善や不具合に特化したサロンは沢山あるけど『改善するかしないかはわからない』というコンセプトの店は存在しない。ということは、、、私の店はオンリーワンになれるかもしれない☆」

我ながらユニークな発想にワクワクしたのもつかの間「果たしてそれを受け入れて下さるお客様はいらっしゃるのだろうか?」という疑問が生じ、意気消沈。

結果や改善を求めないお客様??

で、私はやってみました。

「タイマッサージは何に効果があるのですか?」

「さぁ~私にはわかりません」

「肩こりに効くのですか?」

「はい、肩こりに効く時もあると思います」

「筋肉をほぐすのですか?」

「筋肉をほぐす手技ではありませんが、ほぐれますよ~」

「整体に行くと猫背と言われますが、頭痛はそのせいですかね?」

「う~ん、どうなんでしょうねぇ。タイ古式ではそういう考え方はしないのでよくわかりません」

「どれくらいのスパンで通った方がいいんですか?」

「通わなくていいですよ」

数年間はこのようなやりとりが続きましたが、いつの間にかお客様も私と同様に改善や効果を気にされなくなりました。

「あ~楽になった」

「あ~軽くなった」

「あ~すっきりした」

「あ~よく寝た」

「あ~よく笑った」

「アッっという間でした」

今、お客様のご感想はシンプルです。

つまりそれは、、、

私がセンに触れられるようになった、風に触れられるようになった、お客様に風を手渡せるようになった!ということで、

「私は風に触れ、風の香りをかぎ、風の味を知り、風のささやきを聞き、そして風をみることができるんだ~」という喜びと感動で胸がいっぱいです。

タイ古式マッサージが大好き♪」という私の想いが風に乗ってお客様へと伝わっていきます。私の中の純粋な気持ちに風が答えてくれます。そして「私もやってみたい!」という方には全部、ぜんぶ、ぜーんぶ、手渡しています。そうするとタイ古式マッサージがもっと上手になります。本当に不思議な魅力がいっぱい。ぜひお試し下さい☆